物理を受験するか確定していない方に向いている本です。この本は一般的な本という立場で見た場合、
非常に奇妙な位置にいます。
雑学を得れるほどの話のタネ的なものが手に入るわけでもなく、
大学受験の問題が解けるわけでもありません。
本の題名は比喩ではなく、まさにこの本自体をあらわしています。
特に物理を今まで習っていなくても、
高校の物理がどんなものかを知ることができます。
それだけではそんなに特長のある本ではないように聞こえますが、
この本の冒頭には高校物理を受験するに当たって
とても大切な3つの原則が書かれています。
それは、
□経験則 □定義式 □導ける式です。
上の3つはなんの話かというと、物理でよくでる「公式」の話です。
物理が苦手な人は、この3つをごっちゃにする人が多いです。
物理のある公式を見て
「なんでこんな式が出てくるの??」
と、思うことはとても大事ですが、
経験則から人が予測した式に上のような質問をしても
仕方がありません。
(物理とは関係ありませんが)
水の1立方センチはなんで1グラムなのかと問うても、
何も始まりません。
それは定義したものだから。
水の話はもしかしたら不正確なものかもしれませんが、
特に水にこだわらず定義式というのは物理に溢れています。
そういった哲学に基づいて高校物理を語っていく本は
やはりわかりやすいものとなっています。また
「電磁気は力学とは異なり、式からイメージを湧かすしかない分野」という内容のことも仰っています。
これも物理を学ぶ上で非常に大切な考え方です。
受験に役立つかは人によりますし、
この本を読んで物理の得点が急に上がることはほぼ無いでしょう。ですが、高校物理をかなり的確に捉えた本だと思います。
物理を初めから、そしてあまり固くない本が良い方は読んでみてもいいでしょう。

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